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ワールドビジネス 協同組合企業情報センター

 

JICA協力準備調査(BOP ビジネス連携促進)の取り組み概要 


当組合は、2012年にルビナソフトウェア社、ゼファー社と三者共同で、NPO法人ICA文化事業協会や 
現地のコンサルタントの協力も得て、ベトナム中部に位置する離島での、再生可能エネルギーを活用した電化、水産資源高度化事業のFS調査を行った。 


事業対象地は図表に示すベトナム中部ダナン市より東南側の海上に位置する Cham 諸島の中の HonLao 島である。Cham 諸島海域はベトナムで 2 番目の国立海洋公園に指定され 135 種類のサンゴと202 種類の魚類の生育が確認されている。周辺海域には海燕の巣、アワビ、カニ、海老などの高級海産物も豊富に存在しているが、水産資源の保護政策も実施され、捕獲禁止区域も拡大している。


島の 25%は原生林に覆われ 12 種類の哺乳類、13 種類の鳥類、130 種類の爬虫類、5 種類の両棲類が生息している。島内の2つの集落を結ぶ通路以外は観光客のハイキングは禁止されているが観光2資源も豊富である。

 

図表 事業対象地

 

BOP ビジネスの概要


本事業の狙いは、ホイアン市と島の行政府と協力し、Cham 諸島海域の豊かでクリーンな海洋資源、Hon Lao 島の手つかずの原生林の存在と自然環境保護への取り組みをブランド化、他の地域との差別化を図り観光産業と海産物事業に付加価値化することにあった。


具体的には、クリーン電力事業は小型風力と太陽光によるハイブリッド発電設備と既存のディーゼル発電を統合、クリーン発電を行い、その地域住民に電気を供給する。海産物事業にはその事業活動に必要な電力量をクリーン発電により供給する。同時に、地域住民を新たに雇用し教育し、諸設備の運転、保守管理等の作業、住民からの電気料金徴収業務などを委ねることにあった。

 

FS調査結果


1年間の実地調査の結果、再生エネルギーでの発電は既存のディーゼル発電よりさらに倍のコスト
がかかるため、ホイアン市政府から大きな電力補助金を受けざるを得ず、BOP事業として収益が
見込め、民間の出資を募るためには、海産物を活用した観光業など新たな視点で事業を見直す必要
が生じたため、すぐに事業化まで進めるには至っていない。

 


島民代表、行政担当者とのワークショップ